第66回 文部科学大臣杯全国青年弁論大会 大会報告

令和3年11月14日、第66回愛知県一宮市にて文部科学大臣杯が開催されました。
コロナ禍で開催が危ぶまれる中でしたが、自らの主張や願いを言葉にして伝えたいという思いを持ちご参加頂いた弁士の皆様、開催にご賛同・ご尽力頂いた修文大学様、中京弁論部OB会の皆様、東海学園弁論部OB会の皆様、日本情報処理検定協会の皆様に改めて深く御礼申し上げます。
第66回文部科学大臣杯全国青年弁論大会 文部科学大臣祝辞
第66回文部科学大臣杯全国青年弁論大会が開催されるに当たり、一言御挨拶申し上げます。
初めに、本大会がこのように盛大に開催されますことをお喜び申し上げますとともに、大会の開催に御尽力されました日本弁論連盟の皆様に深く敬意を表します。
現在、我が国は、人生100年時代の到来やSociety5.0、また、新型コロナウイルス感染症の影響等により、大きな変革の時期を迎えています。このような時代を豊かに生きていくためには、一人一人が、生涯にわたって質の高い学びを重ね、その成果を地域社会の活性化に生かしていくことが重要になっています。
本大会は、全国の中学生から大学生・社会人が生活の中で学び、感じた事柄を正しく相手に伝える技術を磨き、弁論を通じて青少年の明日への成長と明るく活力ある地域社会の発展に寄与することを目的としたものであり、時宜を得た取組であると考えます。
参加の皆様には、本大会への参加を契機に、これまで以上に日常で感じる様々な課題等を深く考察し、学びや対話、実践を通じて、これからの時代の新たな価値を創造していただくことを期待しています。
結びに、本大会の御成功並びに日本弁論連盟のますますの御発展とお集まりの皆様方の御健勝と御活躍を祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。
文部科学大臣 末松 信介


日本弁論連盟会長 ご挨拶
第66回文部科学大臣杯全国青年弁論大会が、今年は尾張一宮真清田神社のお膝元、市制百周年をお迎えになられた一宮市に於いて、修文大学のご好意により開催出来ます事に心から感謝申し上げます。昨年の第65回大会は岡山県での開催予定でしたが、新型感染症の影響で断腸の思いで中止の決断を致しました。御関係の皆様には大変なご迷惑をおかけし、開催に向けてのご努力を無にすることにより、心よりお詫びを申し上げます。
更に昨年は日本弁論連盟最大の功労者である橘高裕高名誉会長がご逝去されました。昭和39年から40年間、日本弁論連盟のトップとして素晴らしい指導力を発揮され、青少年の健全育成と弁論の普及に努められると共に、明るい社会の建設に多大な貢献をされ、生涯を弁論に捧げてこられました。第65回大会が中止となり日本弁論連盟にとりましては最も悲しい年となった事は云うまでも有りません。私達は悲しみを乗り越えて、橘高名誉会長をはじめ先人の皆様に後を託された事実を肝に銘じて、弁論を愛する皆様のお気持ちを大切にして、大会の継続を第一に考え、弁論の普及活動の充実を図り、明るい社会の建設に貢献してゆく覚悟です。
第66回文部科学大臣杯全国青年弁論大会は感染対策を講じて安全安心を確保しつつ開催いたします。全国から多くの弁士の皆さんがコロナ禍にもかかわらず、参加していただきました事は洵に嬉しい限りです。この大会は弁論日本一を競い合う大会です。弁士の皆さんは選ばれた事に誇りを持ち、第2台会長東不二彦先生が常に言っておられた「よく見、よく聞き、よく読み、よく考えよ」は弁論の基本でありますので、この言葉を心に刻んでいただいてご自身の主張に責任を持ち、今までの努力を信じて魂を込めて訴えてください。弁士の皆さんの奮闘が第66回大会を歴史の舞台に押し上げていただけるものと期待致しております。
こうして大会が開催出来ますのは、修文大学の吉田理事長先生をはじめご関係の皆様のご尽力の賜物である事は当然の事ですが、連盟役員の皆さんや弁論を愛する皆様の心が一つになり、是が非でも大会を開催すると云う強い気持ちが通じた結果だと思います。そして文部科学省、愛知県、一宮市をはじめ、ご後援を頂きました諸団体の皆様のご厚情に深く感謝申し上げますと共に、大会開催に際し様々なご尽力を賜りました全ての皆様に、心からお礼申し上げます。
最後に、橘高裕高名誉会長を偲び、そのご功績を称える為、名誉会長賞を発展的に解消して、新たに橘高記念配を創設し、第66回大会から授与する事に致しましたので、ご理解を頂きますようお願い申し上げます。
日本弁論連盟会長 片岡 武司
競弁 一般の部
1:勢畑 裕利さん 「ジェンダーレスなスポーツ・協議へ」
2:上杉 一成さん 「Welcome to Japan ~あなたの明るい未来が待っています~」
3:尾高 楓さん 「ディズニー映画『ズートピア』から学んだこと」
4:浦野 春香さん 「縄文の心、現代の心」
5:有馬 優さん 「砂上の死生学論考」
6:土倉 早貴さん 「つなぐ」
7:久保 裕太さん 「今の時代なぜ地球市民意識が必要なのか」
8:大畑 智さん 「その路こそ日本の骨格」
9:西根 朋子さん 「「平等」という在り方」
10:鍵山 実玖さん 「「Good Job!」」
11:水嶋 恵利那さん 「今、マスクの奥をのぞけば」
競弁 中高生の部(1~9)
1:前 圭祐さん 「じいちゃんの魔法の箱」
2:佐藤 ひかるさん 「父からの贈り物」
3:平野 日向さん 「ラスト・メッセージ」
4:戸崎 源太さん 「人だけに向けられた「思いやり」」
5:田中 愛乃さん 「隠された存在」
6:木村 観音さん 「This is me ~成功への物語~」
7:世良 紗也果さん 「ルールを守るということは」
8:大竹 夏穂さん 「「キャラ」ではくくれない」
9:伊藤 希実さん 「言葉、そして社会の多様性について」
競弁 中高生の部(10~18)
10:黒澤 歩奈さん 「”推し”を応援できる幸せ」
11:金山 凛子さん 「Signal for Help ~サインを見逃さないで~」
12:櫻井 太遙さん 「心の壁のない多様性へ」
13:山本 千景さん 「あなたの差別はどこから?私は無知と偏見から!」
14:内海 優香さん 「未来のためのスイッチを」
15:吉田 壱圭さん 「言葉の世界で生きるために」
16:上原 亞弓さん 「手話で繋がる世界を目指して」
17:山本 凜さん 「同じであること」
18:塚本 那奈さん 「地球動物園」
競弁 中高生の部(19~26)
19:上野 菜湖さん 「グレーとは、白ではなくて薄い黒」
20:松家 柚さん 「チェンジ」
21:小川 美佳さん 「自分と共に生きていく」
22:西脇 ももこさん 「つながることから」
23:大塚 つかささん 「旋風を巻き起こす」
24:関 智穂さん 「ディスプレイのこちら側」
25:野世 優花さん 「新聞読まないのもったいない」
26:松本 穂波さん 「しょうがいをともに・・・」
神田審査委員長 講評
弁論とは人を説得するためのものである。聴き応えの有る弁論には以下の3点が有る。
1)必然性・・・どうしてそのテーマを選んだのか
2)掘下げ・・・充分な研究調査をしたか
3)独自性・・・弁士自身が持つ視点と新しさ
また、テーマの選び方は中高生が体験談、社会人が時事問題を選んでいた。テーマについては、SGDsや新型コロナといったテーマを扱う場合は触りのみならず、より掘り下げて頂きたい。
マイクに頼らず、日ごろの発声練習が大切。緊張は誰でもするものであり、その中でもひたむきに伝えることが大切である。
今日の経験は、これから成長して様々な仕事に就いた時に必ず活きてくる。


文部科学大臣杯 東京都 会社員 水嶋 恵利那さん
<一般の部>
最優秀賞 水嶋 恵利那さん 文部科学大臣杯 愛知県知事賞
中日新聞社賞 日本弁論連盟会長賞
優秀賞 有馬 優さん 一宮市長賞 日本弁論連盟会長賞
尾高 楓さん 愛知県教育委員会賞 日本弁論連盟会長賞
優良賞 土倉 早貴さん 一宮市教育委員会賞 日本弁論連盟会長賞
鍵山 実玖さん NHK名古屋放送局賞 日本弁論連盟会長賞
上杉 一成さん 尾西ロータリークラブ賞 日本弁論連盟会長賞

<中高生の部>
最優秀賞 大塚 つかささん 橘高記念杯 愛知県知事賞
中日新聞社賞 日本弁論連盟会長賞
優秀賞 上原 亞弓さん 一宮市長賞 日本弁論連盟会長賞
能世 優花さん 愛知県教育委員会賞 日本弁論連盟会長賞
優良賞 上野 菜湖さん 一宮市教育委員会賞 日本弁論連盟会長賞
関 智穂さん NHK名古屋放送局賞 日本弁論連盟会長賞
田中 愛乃さん 一宮ロータリークラブ賞 日本弁論連盟会長賞
平野 日向さん 一宮中央ロータリークラブ賞 日本弁論連盟会長賞
木村 観音さん 一宮北ロータリークラブ賞 日本弁論連盟会長賞
佐藤 ひかるさん 修文大学学長賞 日本弁論連盟会長賞