第67回 文部科学大臣杯全国青年弁論大会 大会報告
令和4年11月20日、宮城県仙台市にて第67回文部科学大臣杯が開催されました。
初の東北での開催、コロナ禍で人と人とのつながりが薄れつつある中で、自らの主張や願いを言葉にして伝えたいという思いを持ちご参加頂いた弁士の皆様、開催にご賛同・ご尽力頂いた聖和学園高等学校の皆様に改めて深く御礼申し上げます。
第67回文部科学大臣杯全国青年弁論大会 文部科学大臣祝辞
第67回文部科学大臣杯全国青年弁論大会が、盛大に開催されますことを、心からお喜び申し上げます。
また、新型コロナウイルス感染症の影響が続いている中で、関係の皆様の御尽力により、本大会の開催が実現したことに深く敬意を表します。
社会のデジタル化、グローバル化が急速に進展し、さらには、新型コロナウイルス感染症の影響により、社会の変化が加速度を増し、複雑で予測困難な時代となっています。
このような先行き不透明な時代を生きる上で、我が国の将来を担う青年には、自ら課題を見つけ、それを解決する力を身に付けることが求められており、その力の育成のためには、他者と協働し、自ら考え抜く学びを行うことが、これまでにも増して、重要になっています。
本大会は、弁論を通じて、全国から集まった青年が、それぞれの生活の中で学びとり、感じとった事柄について意見を発表することにより、多様なものの見方、考え方を養うものであり、まさに、これからの社会を生きていく上で必要な力の育成につながるものであると思います。今回の大会が、熱意のこもった弁論にあふれ、実り多き大会となることを、心から期待しています。
文部科学省としても、我が国の将来を担う人材の育成のため、様々な教育改革に努めてまいります。
結びに、御参加された皆様の御健勝と御活躍、並びに、日本弁論連盟の今後ますますの御発展を祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。
文部科学大臣 永岡 桂子
競弁 一般の部
1:勢畑 裕利さん 「出来ることに目を向けて」
2:日向 優理子さん 「陽の当たる場所」
3:佐古 恵さん 「多様な人生ゲームの選択肢」
4:関 千穂さん 「イノベーションでリノベーション!」
5:池田 真浩さん 「300年後に受け継ぐために」
6:西根 朋子さん 「貴方と生きていく」
7:村松 秀映さん 「未来への提言」
8:坂口 雄太さん 「「郷土」への道標」
9:長沼 麻陽さん 「南スーダン共和国陸上選手団から学んだ国際貢献への道」
10:有馬 優さん 「後世への最大遺物」
11:近藤 凜さん 「立ち止まることの大切さ」
12:A Sさん 「東北の明日」
13:中谷 瑠衣さん 「18歳からのメッセージ」
14:土倉 早貴さん 「さぁ、8050の向こうへ」
15:谷本 英俊さん 「庭師とボクサー」
競弁 中高生の部(1~8)
1:原田 昂季さん 「こおろぎの前に」
2:卯木 遥奈さん 「人間の本質に迫る教育プログラムを」
3:湯本 慧さん 「彩を為すグレー」
4:山本 千裕さん 「架橋を築いていく」
5:湯川 楓結花さん 「誰かのサード・プレイスに」
6:田中 千夏さん 「「自信」と「未来」を築くため」
7:渡邉 祥也さん 「それってほんとに自分の意見ですか?」
8:玉城 佑奈さん 「誰もが生きやすい社会を目指して」
競弁 中高生の部(9~16)
9:村井 優斗さん 「「知ること」の本質とは?」
10:谷古宇 愛麗さん 「唯一無二の私」
11:林 文子さん 「「当たり前」に縛られて」
12:三村 咲綾さん 「弁論×探究 ―私だって案外いいんじゃない??―」
13:佐藤 葵さん 「未生年」
14:片岡 日和さん 「アニマルウェルネス」
15:山森 哲心さん 「見えないバリア」
16:木村 真阿さん 「Listen to me ~天才誕生~」
競弁 中高生の部(17~23)
17:岡島 花蓮さん 「すべての若者に夢を」
18:春山 夏菜絵さん 「貴方の色は何色ですか?」
19:内海 優香さん 「音を追いかけて」
20:ディサント 愛子 エリサベッタさん 「ハーフと「日本人枠」問題」
21:菊地 咲花さん 「「生まれる」」
22:西崎 真央さん 「その時、あなたは・・・」
23:平良 有理佳さん 「だから私はシャッターを切る」
木内審査委員長 講評
第67回仙台大会の審査委員長を務めさせていただきました、日本弁論連盟副会長、江戸川大学の木内和夫と申します。
本大会にファイナリストとして参加された、中高校生の部23名の弁士のみなさん、一般の部15名の弁士の皆さん、今回も心のこもった素晴らしい弁論を聴かせていただきました。ありがとうございました。
さて本大会の予備審査にあたる原稿審査では、例年になく多数の弁士を落とさざるを得ませんでした。この場をお借りしましてお詫び申し上げます。
一方例年になく、質の高い素晴らしい弁論が多数展開されたと思います。
本日の講評の流れは、まず私以外の9名の審査員の講評メモを代読させていただき、(省略)その後審査委員長としての思いや考えを伝えさせていただきます。
中高校生の部は、弁士自身の努力と、顧問の先生方の熱心な御指導が感じられる素晴らしい弁論が多数展開されました。
また一般の部は、働きながら時間を作り、隙間時間を利用しての弁論の稽古を積んで来たなと感じられる弁論が展開されました。
この場をお借りし、私が考えていることや感じたことをお伝えいたします。
① 我々審査員は、原稿を見ながら弁論を聴くわけではなく、一度限りの音声表現で弁論を審査するしかありません。我々審査員を含めた聴衆が、一度で聞き取り、内容を理解するためにはどうすればいいか、どうか聴衆に寄り添う、わかりやすい言葉で、丁寧に伝えようとする弁論をお願いしたいと思います。内容的には素晴らしいものでありながら、心の中に入ってこない弁論がありましたことを残念に思います。
② 一般の部の、谷本英俊弁士の『庭師とボクサー』の中で提案がありましたが、中学校や高等学校で弁論をやめてしまうのではなく、大学に進んでからも、社会に出てからも弁論を続けていただきたいと思います。そして39歳になるまで全国青年弁論大会に登壇し、発信してくださることを期待します。今回も登壇している日本福祉大学の土倉早貴弁士は、弁士の高校時代から拝聴していますが、どんなに勉強や仕事が厳しくともとも継続してくださることを嬉しく思います。池田弁士、西根弁士、有馬弁士、土倉弁士、谷本弁士等、次年度も挑戦してくださることを期待いたします。
③ 数年前から、有馬弁士を中心に「社会人弁論部」が結成され、コロナ禍の中でもオンラインを活用し、月に一回の研修会を継続していると伺っています。今回も弁論部所属の弁士が数名参加されています。今後も部を継続され、裾野を広め、一般の部の弁論の質のさらなる向上を目指してもらいたいと切に希望いたします。
④ 最後に、今日の弁論大会に登壇して終わりではなく、今日聴衆の皆さんに提案した内容を是非とも行動に移してもらいたい、実行してもらいたい。そして次年度以降の本大会で、提案した内容の途中経過を、弁論を通じて発表してもらいたいと思います。
本日は素晴らしい弁論をお聴かせいただきありがとうございました。
文部科学大臣杯 横浜国立大学職員 有馬 優さん
<一般の部>
最優秀賞 有馬 優さん 文部科学大臣杯
宮城県知事賞
宮城県教育委員会賞
日本弁論連盟会長賞
優秀賞 日向 優理子さん 仙台市長賞
日本弁論連盟会長賞
池田 真浩さん 仙台市教育委員会賞
日本弁論連盟会長賞
優良賞 西根 朋子さん 東北福祉大学学長賞
日本弁論連盟会長賞
近藤 凜さん 河北新報社賞
日本弁論連盟会長賞
関 智穂さん NHK仙台放送局賞
日本弁論連盟会長賞
<中高生の部>
最優秀賞 山本 千裕さん 橘高記念杯
宮城県知事賞
宮城県教育委員会賞
日本弁論連盟会長賞
優秀賞 湯本 慧さん 仙台市長賞
日本弁論連盟会長賞
原田 昴李さん 仙台市教育委員会賞
日本弁論連盟会長賞
優良賞 ディサント 愛子 エリサベッタさん
東北福祉大学学長賞
日本弁論連盟会長賞
林 文子さん 河北新報社賞
日本弁論連盟会長賞
春山 夏菜絵さん NHK仙台放送局賞
日本弁論連盟会長賞
卯木 遥奈さん 宮城県私立中学高等学校連合会賞
日本弁論連盟会長賞
田中 千夏さん 読売新聞社賞
日本弁論連盟会長賞
内海 優香さん tbc東北放送賞
日本弁論連盟会長賞