文部科学大臣杯
全国青年弁論大会
半世紀を超える 若者の弁論の歴史は
過去から未来へ 脈々と受け継がれます
ごあいさつ
本年令和7年は、昭和100年、戦後80年の年であり、激動の昭和を振り返る機会ともなりました。まさにこの100年は、我が国の歴史において大きな転換期でした。殊に戦後の復興は、苦難の連続であったことはご承知の通りであります。復興期は国の進路を如何にすべきかが問われる重要な時期を迎え、この時代背景を反映して若い人々の発言がここかしこで散見されました。各地で弁論大会が開催され、多くの弁士が激論を交わしたと聞き及んでおります。
私ども日本弁論連盟は昭和28年1月に結成され、第1回文部大臣杯全国青年弁論大会を昭和31年11月に大阪府岸和田市において開催し、本年の11月には第70回大会を神奈川県横浜市にて盛大に開催いたしました。この間、多くの弁士諸氏が真剣な熱弁を奮い聴衆に訴えたことは、常に社会の発展と未来への希望の証しと言えます。言葉の持つ力は計り知れません。人は言葉の大いなる力によって動かされ、希望を持ち、世の中に覚醒と変化を与えて時代を越えて行きます。言葉には情熱があり、慈しみや労わりの気持ちを伝える誠の言葉に救われる人々がいることは確かな事実であります。言葉は決して脅威や不安に陥れるものであってはならないのです。現代の世相に鑑みれば善意溢れる言葉の社会であってほしいと願わずにはいられません。
現代は価値観の変化と多様性が目まぐるしく複雑化し、ÀⅠなどによる人間と人工頭脳の交錯が激しくぶつかる苦悩の中で、どう生きるかが大きく問われています。更に世界を見渡せば、不安と希望が入り混じっております。今こそ開かれた偏見のない意識を持って物事の本質を見抜く力を養う時であることを痛感いたします。
このような時代の課題を、私どもは若い世代に弁論を通じて研鑽・研究していただきたいと願っております。全国青年弁論大会はその研鑽の場であり、他者との交流の場であり、人として学びを深める場であります。この場を提供することにより青少年の育成に努めることこそが日本弁論連盟の責務であると確信しております。
この度の70回大会を節目として、組織の改編等更なる弁論大会の充実と弁論界の向上にお役に立てるよう、誠心誠意関係者共々尽力して参る所存であります。今後とも各位の一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。