神奈川県横浜市栄区飯島町489-1

第64回大会の審査講評です

昭和31年(1956年)から続く日本語による弁論大会です。

【審査委員長が述べた審査講評】

・どの弁論も感動した。
・すべての弁論に「文部科学大臣杯」をあげたいくらいだった。
・高校生のレベルが高くなった。
・社会人は慣れすぎている。謙虚に気持ちで臨んでほしい。
・選ばれて出場しているからには、原稿は暗記してほしい。

【今回の審査を振り返って】
金沢スピーチ研究所 理事長 蔵 都

今大会に出場されました弁士の皆様、

日々の経験から得られた、素晴らしい気づきや学びを 明るく前向きに主張して下さったこと
身近なテーマから中高生、大学生、社会人とそれぞれの立場で様々な角度から問題提起をして頂いたことに対し、私はこれからの令和の時代が大変楽しみになりました。ありがとうございました。
皆さんはこの大会に向け、原稿を何度も何度も推敲し、練習してきたことと思います。自分の力を十分に発揮できた人もいれば、思うように力を出せなかった方もいらっしゃることと思います。
弁論は自己を知り、自己を高めるものです。今回のこの結果に一喜一憂することなく、また、ぜひ挑戦して頂けることを心から願っております。
さらによい弁論にするために・・・。私の思いを述べさせていただきます。ご参考になれば幸いです。
「弁論とは」
弁論は弁士と聴衆が一体となって作り上げるものです。
つまり、聴いてくださる聴衆に対しての「感謝と思いやり」のある弁論に心がけてほしいと思います。
日常生活の中で7分間、一言も口を挟まず話を聞いてもらうことはまずありません。
あなたの7分間の主張に耳を傾け、聴いて下さる聴衆に対して感謝する心を大切に、謙虚な姿勢で弁論すること「弁論は人なり」なのです。

【言葉に愛を】
・一回でわかる言葉を選びましょう。
聴衆に対し、弁士が話した言葉を聞き取れなかった、言葉の意味が分からなかったというのは、聴衆はその言葉が理解できないまま、その間の主張を聞くことになってしまいます。適切な言葉選びや専門用語の使い方、世代間の配慮、言葉のイントネーションなどに配慮することが大切です。
・結論は明るく明確に。人格と論旨がマッチしている言葉を選ぶこと、言葉をよりイメージしやすくするためにジェスチャーを効果的に使ってみるのもよいと思いますが、やりすぎると逆にそれが目につきすぎてしまいます。自分の個性を活かすこと、そして自然な笑顔から発せられる言葉は「伝える言葉」から「伝わる言葉」に変わるのです。だからこそ、原稿はしっかり暗記し、聴衆をしっかり見て弁論をしましょう。また「だ、である」ではなく「です、ます」の語尾の方が丁寧で好感が持てます。

【声に思想を】
・腹式呼吸を身に着けることで安定した声量で弁論することができます。また腹式呼吸は緊張を和らげる効果があります。マイクに頼らず、どんな会場でも弁論できるように訓練しましょう。
・口をしっかり開けて、発声することで語尾がしまり、舌もしっかり動き、滑舌もよくなります。それに伴い、言葉のひとつひとつがしっかり聞き取りやすくなります。
・弁論は「パフォーマンス」ではありません。過剰な表現は聴衆の共感を妨げることになってしまいます。声の高低、大小、抑揚 内容に即した表現力を身につけましょう。

【間に真心を】
・「間のない弁論は間抜けな弁論」「間」は弁論の肝です。小さな間、大きな間、たたみかけなど内容がより聴衆に伝わるような「間」を工夫してみましょう。
・しっかりと聴衆の心に投げかけ、考えさせる「間」の取り方、一緒に呼吸するような弁士と聴衆が一体感のある弁論ができたらいいですね。
・話す速さは(聞き取りやすい速度)個人差はありますが1分で200字程度です。時間を守って話せるように練習を重ねましょう。

「情」はテクニックを超えます。しかし、弁論大会は体験の大小で優劣が決まるものではありません。
主張のほとんどが体験であり、そこから得られたものが少ないのは弁論として、物足りなく感じます。
真摯に誠実に、今の自分の思いを伝えるということはもちろんのことですが、自己の世界にとどまる
ことなく、人として愛情をもち弁論してほしい・・・そう願っています。
「話し上手は聴き上手」と言われます。自己練習は大会前に十分に行い大会当日は、全国から選ばれた弁士の方々のより多くの弁論を聴くことをお勧めいたします。